現在における「デザイン」とは何か
デザインという言葉の語源はラテン語の「Designare」=「計画を記号に表す」と言われています。つまり「設計」です。そこから50年代では「出来上がったプロダクト/サービスに施すもの=美しい見た目」、そこから70年代では「誰が使っても快適であり、使い勝手がいいユーザーのニーズにフィットしているか」になり、現代では自社と自社を取り囲む顧客・社会とのインターフェイスを設計する事(UX/UI ブランディング、ビジョン、組織理念・構造設計)も指します。
そしてデザイナーの手法や思考方法をサービスやシステム設計に利用する「デザインシンキング」が経営自体に浸透させる必要があると言われています。
デザインシンキングとは「観察・共感」「定義」「概念化」「試作」「テスト」という5段階のプロセスに分類し、ビジネス上の課題を解決するための思考法であり、分解すると、
- ・クリアにコミュニケーションを行なう
- ・正しいものを正しいところに
- ・自由な発想からスタート
- ・制限をクリエイティブの源に
- ・顧客/ユーザー視点で考える
- ・失敗から学ぶ
- ・心地よさを優先する
- ・ロジックと感覚の両方を活用
- ・分かりやすく使いやすくを優先
- ・Less is more
- ・相手の気持ちを理解する
- ・細部にこだわる
- ・本当の目的を見つけるために自問自答する
- ・一つの問題に対して複数の解決方法を考える
- ・前例のとらわれずに未来を考える
- ・全ては世の中をよくするために
- ・企業の利益よりユーザーのメリットを優先
などから成り立っていることが分かります。
ちなみにWebデザインは1991年、欧州原子核研究機構(CERN)のティム・バーナーズ=リーがハイパーテキスト・システムを考案し、URL、HTTP、HTMLの設計を行い立ち上げたページ「Info.cern.ch」が歴史の始まりといわれています。
以下で「デザインとは」に当てはまるのはどれでしょうか?
- □ マインドセットである
- □ 組織改革である
- □ マーケティング/ブランディングである
- □ 課題解決である
- □ 美しさである
答えはすべてと言えます。
近年デザインの解釈はかなり広義になっていて、デザイナーに求められるスキルも変革しています。これから先、デザイナーに求められるものは、
・社会的状況に即した解決策を作るデザインスキル
・デザインアプローチの意義を伝えるためのデザイン思想・哲学の理解
・イノベーティブな独自な視点を持つためのアートの直観・感性
・望ましいゴールへとチームを導くリーダーシップ
・多様な人々と有効な解決策を作っていくビジネススキル
であり、意匠やモノだけではなく体験やサービス全体に目を向けて設計していくデザインの捉え方を呼ぶ言葉になってきています。 このような広義のデザインを経営のレベルから捉え直す企業が徐々に増えてきました。 そのような先進的な企業では、広義デザイン・マインドセットは最早デザイナーだけのものではなくなっています。
デザイン経営とは
2018年に経済産業省と特許庁が「デザイン経営宣言」と言う政策提言を発表いたしました。
「デザイン経営」とは、デザインを企業価値向上のための重要な経営 資源として活⽤する経営です。
それは、デザインを重要な経営資源として活⽤し、ブランド⼒とイノベーション⼒を向上させる経営の姿です。
「デザイン経営」と呼ぶための必要条件
1. 経営チームにデザイン責任者がいること
2. 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること
になります。
デザインを経営に取り入れる3つのSTEP
Step.1 キャラクターを確立させる
意志と情熱を持つ
受注者と発注者という関係性では、人の心をつかむ製品やサービスは生まれません。
ビジネスを通して社会に貢献できることは何か。自社のミッションを共有し、意志と情熱をもってデザイナーと本音をぶつけ合う関係を築く必要があります。
歴史や強みを棚卸しする
これまで自社が顧客に提供しつづけてきた価値を再確認し、自社はなぜ存在するかを再認識するとともに、未来に向けた新たな価値を生み出すための軸を探します。
未来を妄想する
ファンを増やし、維持するためには何が必要か。求められるのはビジョン、つまりどんな未来を実現したいかを描く際に大切なのは、「WHAT(機能)」や「HOW(やり方)」ではなく、「WHY(なぜ実行したいのか)」です。
Step.2 カルチャーを醸成させる
社員の行動変容を促す
社員一人ひとりがミッション(存在意義)やビジョン(ありたい姿)意味を理解し、日々の行動に取り込んで初めて、企業文化が醸成されます。
社内外の仲間を巻き込む
コラボレーションの鍵は「発信と共有」にあります。メンバーの仕事内容はもちろん、得手・不得手、目指す未来まで、チーム内で透明性をもって発信、共有されている状態が望ましいです。
魅力ある物語を発信する
モノが溢れる現代、消費者は製品の「価格」や「質」だけではなく、「ストーリー」をより重視するようになっています。
Step.3 モノ・サービスの創出
人を観察・洞察する
人のふとした言動に目を向け、その人に共感し、ときに憑依して、その裏側にある心理を読み解く。こうしたプロセスを商品開発やサービス開発に取り込むことで、真に人々の心をつかむモノが生まれます。
実験と失敗を繰り返す
「実験」と「失敗」を繰り返しながら顧客にアイデアや価値のフィードバックを取り入れ、スピーディに形にしていく点にあります。
心をつかむモノ・サービスをつくる
人はロジックでは動かない。感情に働きかけ、人を動かすもの。それがデザインです。
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レップ株式会社では、見た目のデザイン(design)、利用することを目的としたデザイン(Design)、経営に対するデザイン(DESIGN)、すべてご対応いたします。デザインの導入、改修をご検討されていたら是非一度ご相談ください。