UXデザイン/設計の基礎と手段
Donald Arthur Norman(認知科学者)が、「UXとはユーザーとサービス、商品の相互作用全てで混乱や面倒なしで顧客の的確なニーズを満たし、所有する楽しさ、使用する楽しさを生み出す「簡潔さと優雅さ」である」と定義しているように、ユーザーがやりたいことを実現させる過程で、満足感を得られるかが重要であり、「製品・サービスを通して得られる全ての体験」がUXにあたります。UXデザインをする上で重要なことは「使いやすい」「楽しい」「また使いたい」といったようなポジティブな体験・感情を得てもらうために常にユーザーの利便性を考慮した導線設計をすることです。
それらを実現させるための方法論として、以下の施策をフェーズ別にご紹介します。
Step 1.ペルソナ作成
顧客が誰であるか
一昔前はペルソナを用いずターゲットという大きな括りで誰がユーザーかを決めていましたが、昨今の「モノがあふれている状況」では的確なターゲット設定が必要になりました。「売上の8割は全顧客のうち2割の優良顧客が生み出している」というパレートの法則にもあるようにターゲットをより明確にして着実に訴求できる商品やサービスを作り上げ、提供することによって購買者の絶対値が上がるとことが想定できます。
「ペルソナ作成」はある架空の顧客像の価値観・パーソナリティまで含めた人物像をプロファイリングしていきます。
メインターゲット1人、サブターゲット1~3人を設定するとより効果的と言われています。
メインターゲットの例
- ・ターゲットが持つであろう価値観を全て持っている
- ・高頻度にサービスを利用する
- ・企業がサービスを届けたい人
サブターゲットの例
- ・ターゲットが持つであろう価値観をほとんど持つが、メインターゲットと職種や年代が異なる
- ・ターゲットが持つであろう価値観をほとんど持っていないが、今後ユーザーになる可能性がある
- ・サービスを高頻度で使わないが、あったら困らないと考えている
Step 2.カスタマージャーニーマップ作成
ペルソナの動きを可視化
ペルソナを作った後は、彼らがどのように課題(orニーズ)を認識し、提供サービスを知り、利用するのか。行動をフェーズ分けしてシナリオを描いていきます。その際、フェーズごとに施策を考えます。
宿サイト(友人と2海外旅行をする日本人が宿泊先を探すところから評価するまで)の例
Step 3.価値マップ作成
カスタマージャーニーマップで作成した顧客感情を「価値」としてまとめる手法
ペルソナやカスタマージャーニーマップを通じて、属性層、行為層については分析ができます。しかし、ユーザー自身も言語化できていない価値観があります。価値マップはこの隠れた価値観を明らかにし、これに基づいてどのような価値を提供するかと新たな発想に繋げることもできます。
Step 4.ムードボード作成
言語化できない要素をビジュアルで表現する手法
ユーザー調査を行うなかで得られるさまざまな発見価値やニーズにおいて、言語情報として表現したり、構造化したりしづらい要素をビジュアルで表現するもので、製品やサービス、Webサイトのトーン・マナーや、デザインの方向性など、ビジュアル面での指針を策定、判断するためのクライテリア(指標)としてクライアントやチームとの共有に役立ちます。
上記をしっかり踏めえた上でその後ディレクトリマップ作成やワイヤーフレーム製作に移行することでUX設計が確固たるものになります。